「現世破壊篇序章」 夢の始まりに戻ろうと 一夜もがいて汗まみれ 月もない道をはてしなく 闇が体中に焦げつくまで さまよい続け・・・・ 電柱の陰に立ってる女 溶けて崩れてゆらゆら 柳の下の泥鰌が踊る 蛸が彷徨う天の川 闇の果てから電話のベルが 届く 明けのしじまが宇宙から 一挙に溢れ出し ぷつん 海底の泥の中に陶器のかけら ぷくぷくぷくん 泡が立ち上る うむう 闇の宮殿に向かう死霊が 錆だらけの刃物を掲げるが 彼の頭は首でちぎれてない 物見台はいま破壊されつくした そこに置いてきたのだ 彼の左手は巨大な魔物に食い尽くされた 彼の男根はない 蟹の化け物の爪にそぎ落とされてしまったのだ 彼の右足はない 鉈で切り離して鮫の大群にくれてやったのだ 俺はここにいるわけにはいかない 最後の戦いに歩を踏み出さねばならない そうでなければ 深海の墓場をあばいて甦った意味がない 海がまわり宇宙がまわる 芝生に囲まれて俺は目覚める にゃおん 黒猫がまとわりつく 風に揺れるかのように しっぽが宙を泳ぐ ヒゲを擦りつけるかのように 猫は甘えて離れない 餌を探さなくちゃ 立ち上がる<僕>の視線は 牧場の彼方に海を 水平線を見つける うみ なくしてきたものが胸の奥で ぼそっとつぶやく さあ、餌を探してやらなくちゃ 可愛い黒猫ちゃん、僕を 川に案内しておくれ 猫は先に歩む 足下に大の仲よし 自分の影を従えて 影が膨らみあっという間に 猫を包み道を包み樹々を包み 森を包む そのまま闇の中に ヘヴン この世でない 冷たい場所だ 「ブレーズ、何しに来た」 「おお、ごっど、年貢がきつすぎて 百姓は貧しくて食べていけない わしらはお前を殺すしかない」 「代官所をなんと心得る、手打ちじゃ」 「わっはっは、なにを田舎侍め、この紋所が目に入らぬか」 「をを、そのその紋章は菊の花」 「えっ? 」 「さてはきさま、水戸納豆を食ったダッチョの肛門だな」 雨だ くちびるに不安 墓に奈落 転げた時代 たしかな 透明 鉄棒にまぼろし 手術台の精霊 街にさんらん ゆうぐれの粘膜 鉄塔の青インク レモンの化石 しずかな波止場 月のみなと

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