「遊動円木」 小学校の放課後の校庭 誰もいないのに揺れる遊動円木 小首をかしげてランドセルしょった 幼い私はいつまでもそれを見ている 年月を経て、疲労の夕べ 都会の片隅の 小さな公園のブランコに私はすわる 去り行く八月の深夜は 風が止まると汗…… 靄(もや)った大気が虫の音も消してしまう 水銀灯の広場には時代に揺れる幻が見え 時の彼方の遊動円木と重なる 揺れろゆれろ 遊動円木  揺れろゆれろ 遊動円木  小学校の放課後の校庭 誰もいないのに揺れる遊動円木 小首をかしげてランドセルしょった 幼い私はいつまでも見ている

前へ 次へ