「さっきの海」 球体の中に渦巻く砂の風紋 誰もいない浜辺を覗き わたしがすでにいないことを 確かめる 風がやみ 波さえ消え失せた 硬くなめらかな陶器の傾斜 手のひらにすくう血の重さ? こぼれ散る光の収束 うすももいろの貝のかけらも けものたちが駆ける空 音ひとつ聞こえない 潮の香りも沈む陽は持ち去り やがて海辺が闇の中に包まれるとき わたしはこの球体を どこに持ち去ればいいのか

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