「しばらくぶりだね」 詩誌の一行に「都電」と出会う しばらくぶりだね 名前を変えたのではなかったのか 「都電」は幽霊になって 黄昏の街をさまよっていた ことばを失ったばかりに あの世にも行けず 東京の街の明るい闇を 漂うしかない うしろ姿 言葉を求める人たちが 見かけては声を投げかけるが 君は振り向くわけにもいかず (帰っておいでよ) 前へ 目次 次へ